扁桃肥大、いびき・息が止まる(小児)
小児の睡眠時無呼吸症候群
症状
- 夜の症状:いびき、苦しそうな呼吸、せき込み、寝相が悪い、おねしょなど。
- 昼の症状:食べるのが遅い、口をあけた表情、落ち着きのなさなど。
- 成長に対する影響:低身長や胸のへこみ(漏斗胸)など。
- 就学すると:学力低下、授業中の居眠り、集中力のなさ。
原因
最もよくみられる素因・誘因はアデノイド肥大・扁桃肥大、肥満です。
小顎症や顔面形成不全、ダウン症候群は発症の危険性があります。
患者統計
小児の有病率は約1~3%と言われていますが、実際はもっと多いのでは、という報告もあります。
多くは2~4歳頃からいびき・無呼吸が始まります。
6歳頃からいびきが軽くなる傾向にありますが、診断の時期を逸している可能性があります。
合併症
認知や行動上の合併症がよくみられ、発達遅延や学業成績の不振、注意欠如・多動性障害、不注意や集中力障害、攻撃的行動が認められることがあります。
心血管合併症には肺高血圧、高血圧、うっ血性心不全があります。
重症例では、無酸素性脳症、けいれん、昏睡を引き起こす可能性もあります。
検査・診断
いびき・無呼吸を認めている場合や小児科や耳鼻咽喉科にて扁桃腺・アデノイド肥大が認められている場合には、ご自宅にて携帯型装置による簡易検査(パルスオキシメーター)を実施した上で終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態のチェックを行います。
当院では小児の「終夜睡眠ポリグラフ検査」を積極的に行っています。
治療
耳鼻科的治療
扁桃腺やアデノイド肥大を認める場合には連携基幹病院に紹介し、耳鼻科的治療や扁桃腺・アデノイド切除手術を行います。
経鼻的持続陽圧呼吸装置(Continuous positive airway pressure:CPAP)
CPAPは鼻にマスクを装着して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療です。CPAP療法を適切に行うことで睡眠中の無呼吸が減少し、上記症状の改善が期待できます。
口腔内装置(マウスピース)
下顎を前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。
生活習慣の改善
上記治療にあわせて、肥満者では減量することで無呼吸の程度が減少することが多く、食生活や運動などの生活習慣の改善を心がけることが重要です。
診療の流れ
- 診療予約
診療や睡眠検査は完全予約制です。
まずはお電話でお問い合わせください。
電話番号は0532-66-5678
初診~診断・治療開始までは、
平日の昼間のみの診療となります。 - 初診・簡易検査
問診表のご記入後、医師の診察となります。
その後、看護師や臨床検査技師により、自宅で実施いただく
パルスオキシメーター使用方法の説明と貸し出しを行います。
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)についての説明と
予約を行います。 - パルスオキシメーター
の返却
自宅で実施いただいたパルスオキシメーターを
返却していただきます。
この際には診察はございません。 - 再診
パルスオキシメーター
の結果説明
自宅で実施いただいたパルスオキシメーターの解析結果から、
結果説明を行います。
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)・結果日の
日程確認を行います。 - 入院検査
終夜睡眠ポリグラフ検査
診断のための精密検査を行います。
19時にご来院いただき、
順番にセンサー装着を開始します。
センサー装着後消灯し、検査開始となります。
翌朝検査終了時刻になりましたら、スタッフが訪室し、
センサーを取り外し、退院となります。 - 再診
入院検査結果説明
入院検査の解析結果から、結果説明を行います。
年齢や重症度により治療法をご提案します。
耳鼻科的治療の必要性の有無を判断する為に、
他院耳鼻咽喉科へ紹介を行う場合もあります。
大人と同様の治療(CPAPやマウスピース)の適応となる
場合には、その説明・必要により歯科紹介を行います。 - 入院検査
終夜睡眠ポリグラフ検査
(効果判定)
重症度によりCPAP治療となった場合は、
治療効果判定の為の入院検査を行います。
診断の終夜睡眠ポリグラフ検査と同様のセンサーと
CPAPを装着します。
耳鼻科的な治療や手術を行った場合には、
効果判定の検査を施行します。 - 再診
入院検査結果説明
定期通院
効果判定検査の結果説明を行います。
CPAP貸出している場合には、
検査結果をもとに治療圧の変更を行います。
耳鼻科的な治療や手術を行った場合には、結果説明を行い、
必要により定期的な診察・入院検査を
お勧めする場合があります。